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パパラギ

パパラギ―はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集

先日、知人が読んでいるのを見て、自分も読んで見た本です。南の島の賢者であり酋長であるツイアビが、ヨーロッパを旅した時に感じたことを本にしたもので、当時の進んでいるとされた白人文化への警鐘が書かれおり、書籍と、絵本の2種類があります。ちなみに「パパラギ」とは白人のことを指します。

この本の初版は1920年。今からざっと85年前。約100年も前の酋長の言葉ですが、非常にリアルに心に響きます。人類の進歩、幸福、と一般的にされている様々な事柄への素朴な疑問と、鋭い視点からの批判。そして酋長は当時の白人達が幸せにしてやろうと言って自分達の文化を島へ入れることを非常に危険視します。「愛する兄弟達よ、騙されてはいけない」と。

最近は沖縄移住ブームといったように、自然への回帰といったことが多かれ少なかれ心の中にあると思います。現代ストレス社会への辟易からくるのでしょうが、普通、その原因までは多くを触れようとしません。そうした中、この本は鋭くその原因は何にあるのか?ということについて、非常に平易な言葉で綴られています。

彼らは私たちは貧相で、可愛そうだという。しかし、それは人間が作り出した「物」がないためで、私たちには神から授かった多くの「物」がある。

正確な引用ではないですが、例えば、「物」についての項目にはこのような趣旨などが記載されています。

現代社会において、もはや現在の価値観における技術進歩という名の進展は止まりそうにないですが、私達はこのツイアビからの警鐘に真摯に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。このサイトでもPCなどのように現代の技術を象徴するような話題ばかり触れたりするわけですが、その技術がもたらす弊害も忘れてはいけないと改めて感じる書籍です。

しかし、こうした書籍に共感を抱いたところで、一個人としていったい何ができるのでしょう。「気づいたら、とりあえず何か少しでもいいからやってみよう」なんてよく言われたりするフレーズですが、そのとおりでもあり、何だか虚しい言葉のようでもあり、いつも悶々としてしまいます。

個人が何かしらの環境を求めたが、実際に自分が属している周囲の環境が異なった場合、どうすればいいか。いくつか考えられる方法としては、

1、周囲に訴えかけていくことで周囲を自分に合わせようとすること。たぶんこれは革命的。
2、望むような環境に近いところを探し、自らをその環境へもっていくこと。移住・転職など。
3、そんなものは理想郷であり、無理だと諦める。その後は無気力になるか、自分の心を偽って周囲に表面上は合わせてやっていく。

普通は、3の方法が選択されるのではないでしょうか。そして、一部の人は1か2を選択する。私はどれだろう。普段は3だが、いつも1か2を狙っている。こんなところでしょうか。革命なんてとても起こす気にはなれないけれども、こうして何かを発信することもある意味においては周囲への訴えかけでもあるわけで。できれば2がいいですね。でも、これもなかなか厳しいのでとりあえずはやはり3といったところです。

熟せばヤシは葉も実も落とす。パパラギ(白人)の生き方は未熟なヤシが葉も実もしっかりかかえているようなもの。『それはおれのだ! 持っていっちゃいけない。食べちゃいけない!』それじゃどうして新しい実がなる? ヤシの木のほうがパパラギよりもずっとかしこい

書籍の最後に記されている、ツイアビの言葉です。お時間があれば読んでみられてはいかがでしょうか。
by ippeitarou | 2005-01-26 07:34 | Column
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